先日知り合った方々とのお話が、職場のお悩み事としてとても切実に感じられたので記事にしてみたいと思います☕️
働いている会社の業務オペレーションがアナログで無駄が多い、IT化を推し進めたい気持ちがあるがどう説得すれば良い?といったことでした。
働いている会社の体質がアナログで、仕事に無駄があるんじゃないか、ITで効率化したらもっと売上も上がるのに、といった不満を抱えている方は多いのかもしれませんね。
今回はそうしたお悩みをお持ちの方々に向けた内容にしたいと思います。
事業が維持できているのには意味があるはず
まずは、「こんなに無駄が多い、業務効率化しないと!」と働いている人が感じていながらも事業が継続できているということは、それでも利益が出ているということではないでしょうか?
その理由は何か?一度考えてみると良いかもしれません。
それを踏まえた上で、あるべき姿を考え、それでもその過程でやはりITが必要か?考えてみましょう。
今の業務をそのままIT化するだけでは、IT投資のリターンを回収できないかも?
業務効率化、という切り口ではボトムアップのIT化がなかなか難しいと思います。
事業が維持できているのには意味があるはず…と書きましたが、無駄が多い業務オペレーションでも社員が各々工夫しながら動いてくれて、利益をあげてくれているなら、経営者としては、わざわざ業務を効率化しなくても良い、となるからです。
人件費<業務効率化にかかる費用 で業務効率化する必要がない、という場合もあるでしょう。
業務効率化の手段としてIT化を推し進めるには、どのくらいの期間で 人件費>業務効率化にかかる費用 になるのか、その計画が説得力のあるものでないとなかなか稟議が通らないのではないでしょうか。
では、ボトムアップでIT化をどう提案する?
社員の立場からIT化を推し進めたいという場合、業務効率化といった経費を抑えるという方向性よりも、売上を上げる方向で提案する方が提案しやすいのではないかと思います。
利益=売上-仕入
使えるお金を増やすのに手っ取り早いのは収入を増やすことなのに、なぜか使うお金を節約することばかり考えてしまう、というのは個人レベルでもよくあることです。
これはダイエットをしようとしている人が、食べる量を減らした方が楽なのに運動を頑張ろうとするのに似ていると思います。笑
パン工場を作る前に、まずは美味しいパンのレシピを考えてみましょう!
例えばパン工場を作るにも、レシピが良くないと、いくら工場で楽に量産できても利益が上がりませんよね。
納得いくレシピができていないのに、工場を作ろう!とはならないはずです。
社内システムを作るのも同じです。
まずはアイデアや仮説を立てて、美味しいパンをひとつ作ってみましょう。
顧客体験をフロー図にしてみると、何かアイデアが湧いてくるかもしれません。
業務の棚卸し、というと業務遂行者の視点が先行してしまいそうですが、顧客体験とその業務オペレーションがどう繋がっているか、ということが見えていないと施策を出すことは難しいです。
小さなアイデアは、まずは手作業でも何度か試してみて、効果を記録してみましょう。
そうすれば、そのアイデアを再現するための仕組みを構築したときの効果が推定できるはずです。
パン工場の建設計画ではなく、新しいパンの提案
提案の仕方も重要ですね。
美味しいパンをお客様に届けるための提案なのに、パン工場の建設を強調してしまうのは勿体ないです。
小さく試してみた結果とそれを再現した場合の利益、顧客に対する新しい価値提供など、未来に希望を持てるような提案が良いと思います。
そのレシピを再現するために、このような社内システムがあったらいいね、という提案が自然だと思います。
この流れを実現できる場合、アイデアを小さく試している時点で売上が少し上がっているはずなんですよね。
そこも提案が通るためのポイントのひとつだと思います。
私の最近の活動で、こうした業務改善に関する流れからサポートすることも多くなってきました。
パン工場の建設の前に、美味しいパンのレシピを考えることのできる組織づくりが必要ですからね。
内発的にそのような組織が作られようとしているのは素晴らしいと思います。
ぜひ今後も見守っていきたいと思います。